皆様こんばんは、あのつぎはイです。久しぶりの記事投稿、やっていきます。
前回の投稿からかなり期間が空きましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。気づけばすでに11月も半ばを過ぎ、残るイベントはクリスマスくらいでしょうか。ディベートについては甲子園(結果はこちらから)だけではなく、JDAも終了しており、オフシーズンに入ったかな、という雰囲気です。といっても私はJDAに出たことはなく、結果もHPでチラ見する程度なのですが(笑)
ということで、今回はそのディベートの話題です。今まで立論から第一反駁まで、各パートの説明をしてきましたが、最終パートである第二反駁の話を今回はしていこうと思います。
第二反駁も第一反駁同様、ディベートでは花形のポジションと言われています。ただ、第一反駁の時のような、決まった型を練習すればうまくなれるかと言われると、やや立場が抽象的な感じがあります。そこで今回は少しでも具体的に、第二反駁が説明できればと思います。
今回のポイントは
- 第二反駁の仕事って何?
- ここの論点に決着をつけるって?
- 比較って何をすればいいの?
- 結局何が説明できれば勝ちになるの?
このあたりを説明していこうと思います。それでは早速やっていきましょう。
ちなみに、過去の投稿で立論や質疑、第一反駁は説明しているので、そちらも見てもらえるとうれしいです。
第二反駁の仕事って何?
まずは第二反駁の仕事を説明しましょう。大きく2つに分けられると思います。
- 個々の論点に決着をつける
- 比較する
- まとめる
ディベートの試合が終わり審判の講評を聞いていると、「○○の論点については、最終的によくわからなかった」とか「個々の論点はよくスピーチができていたが、最後の比較やまとめができていなかった」とか言われたことがあるかもしれません。そこで、一個ずつ分けて説明していこうと思います。
ここの論点に決着をつけるって?
まずは、個々の論点について説明していきます。
第一反駁まで試合が進むと、特定の論点について話が入り乱れることが多いです。
例えば救急車有料の論題で
- 肯定側立論:メリットで、今まではタクシー代わりに気軽に呼んでいた人が、有料化でお金がかかるという理由で呼ぶのをためらうようになり、重症の人が直ぐに救急車で運ばれるようになる。
- 否定側第一反駁:タクシーより安い料金設定なら、結局安い方を利用すると思うから救急車を利用するので論題を採択しても変わらない。
- 肯定側第二反駁:無料だった救急車が有料になるのだから、お金がかかるという理由で救急車を利用せず、例えば公共交通機関とか安い移動手段でいくようになる可能性もある。だから救急車を利用する人が減るはずだ。
というようなやりとりがあったとしましょう(実はルール的にグレーな話も出ていますが、そのあたりは今回は見ないふりで)。
このとき、試合を聞いている審判からすると
結局救急車を利用する人は減るの?変わらないの?
という疑問が出るわけです。
この疑問を解消するスピーチをする
=個々の論点の決着をつける
ということになります。まぁ、第一反駁の時と同じく、相手から言われたことに対して反応して防御する、というイメージでいいと思います。こうすることで、相手の話に防護柵をしき、最終結論で自分たちのいいたいことをよりスムーズに審判に伝えることができるのです。
個々で問題になるのは、「じゃあ相手から言われた内容すべてを返せばいいんだね」と思うかもしれませんが、この辺りは匠の感といいますか、技といいますか、どこの話はきちんと決着をつけ、どこの話は素通りするか、という取捨選択が必要になったりします。というのは、今まで数十分間されてきた話を、わずか数分間で終わらせなければならないので、どうしても捨てる勇気が必要になる、という感じなのですが、この辺はレベルの高い話題ですので、また改めて話ができればいいな、と思います。
比較って何?
さて、ここの論点に決着を付け終わったら最後、メリットとデメリットのどちらが大きな話題なのか=どういう点で自分たち(肯定側or否定側)が勝っているのか説明しなければなりません。これが「比較」といわれるものです。
自分たちが勝っているところを説明し、試合の価値をアピールする
=比較
メリットとデメリットを比較する上で昔からよく言われていたのは以下の4つです。
- 量
例えば人数、お金など - 確率
起きる確率が高い低いといった説明(50%以下と50%以上とか) - 期間
メリットとデメリットの起きる時間:失業デメリットは起きるのがごく短期間だが、温暖化対策はこれからの未来永劫に影響が起きる、など - 質
これは非常に難しい。お金がどれだけあっても命は失ったら終わりだから命がとても大事とか。
ただ、最近はディベートのレベルも上がっていて、例えば否定側の第二反駁が期間で比較して、肯定側が確率で比較して、それで審判がどう考えるか、など結構複雑化しているところもあります。
結局何が説明できれば勝ちになるの?
ということで、おそらくこの記事を見ている第二反駁に興味のある人やディベートの勝利をどう考えるか悩んでいる人たちに、未だ抽象的ですが個人的な勝ちを印象づけるスピーチの一つをお話しします。それは、
メリットもデメリットも含め、論題が採択されたときに起こる世界をどれだけ具体的に説明できるか。
というものです。最初の画像にも載せましたが、アメリカの大統領選挙スピーチや、就任時のスピーチに近いかもしれません(ネガキャンしろという話ではないですよ笑)。
どれだけ未来をイメージできるか、言葉を借りれば
「言葉というプロジェクターを通してどれだけ審判に具体的なイメージをうえつけられたか」
というのが、第二反駁の最後に期待されるスピーチなのかなと思います。
具体例を挙げるとすれば、中学高校ディベート選手権=ディベート甲子園の中で、
第24回ディベート選手権 高校の部(日本はフェイクニュースを規制すべきである。是か非か) 肯定側第二反駁 (こちら:42分35秒あたりから)
を見てもらえると、どのような世界が起こるから、肯定側=メリットが勝っているのか、というのがとてもきれいに説明されているかなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。すこし抽象的な話になりましたが、第二反駁も奥の深いパートです。でも、ここがきれいに決まると、試合としても非常に引き締まった、良い試合とみられることが多くなるのも確かですので、是非挑戦してみてほしいパートかなと思います。
それでは皆様、have a nice day and see you next day!