みなさまこんばんは、あのつぎはイです。今日も更新やっていきます。
今日のテーマは、即興ディベートで使えるテーマを紹介してみようと思います。
以前の記事(こちらから)にもディベートのテーマ(論題とも言います)をいくつか紹介していますが、その時は調査型のもの(アカデミックとも言います)と、即興型の物(こちらはパーラメンタリー)で代表的なものをいくつか取り上げましたが、今回は即興型に絞って、お手軽に準備ができて試合ができるテーマを、思いつくままに取り上げてみようと思います。もちろんどの論題も、調査型のようにしっかりを資料を調べてディベートをすれば更に深い議論ができると思います。
今回扱うテーマが多く、以下のように分けてみました(主観です)。
- 学校に関するテーマ
- 科学系のテーマ
- 動物に関するテーマ
- 職場に関するテーマ
- 面白系のテーマ
- ネット系のテーマ
- 身近なテーマ
それでは早速やっていきましょう。
学校に関するテーマ
自分が所属している連盟(全国教室ディベート連盟やその東海支部)が中高生をターゲットにディベートを普及する目的をもっているので、比較的このテーマで今までディベートをやってきたこともあり、思いついたテーマも学校関連の物が多いです。1個ずつ簡単に紹介していきます。
日本は中学高等学校の部活動制度を禁止すべきである 是か非か
最初はこのテーマです。こちらは令和3年度のディベート甲子園で取り上げられたテーマでもあります。昨今話題になるブラック部活動と言われる問題が発端かと思います。部活動をするなかで、教師の負担が大きいという問題と、部活で培われる連帯感や体力など、いろいろな課題が挙げられます。なお、部活動制度そのものを禁止するテーマだけではなく、「日本は部活動制度を教師による指導を禁止とし、外部指導員に預けるべきである 是か非か」にしてもいいでしょう。この辺りはやりやすいテーマを設定してもらえればいいです。
日本は学校での運動会や体育祭で組み立て体操を行うのを禁止すべきである 是か非か
生徒たちの大けがで話題に挙げられるテーマです。一体感をとるか、傷害回避をとるか、この辺りが検討課題として有名な所でしょうか。ただ調べたところでは、近年かなり傷害回避を取りながら組体操はできるようになっているみたいで、全面禁止というテーマではディベートがやりにくいかもしれません。一度ディベートで試合をしてみて、少しずつ工夫をしてもらえるといいでしょう。
日本は小学、中学、高校において自宅学習のために宿題を課すことを禁止すべきである 是か非か
こちらは、東京の麹町中学校に工藤校長が赴任された際に実施された制度を日本全国でおこなおうという物です。工藤先生の記事はこちらのように、結構多く見つかります。また、「宿題のない学校」と検索しても、結構いろいろと情報があつまるので、ディベートはしやすいです。宿題がないことで、返って勉強するようになるとか、勉強することしない子の学力格差が広がるとか、いろいろ検討課題は出そうです。
日本は小学校のすべての学年で教科担任制を導入すべきである 是か非か
続いてはこちら。これも昔はよく扱われていたらしいのですが、最近高学年については教科担任制を導入するという文科省からのおたっしがあるので、そもそもディベートのテーマとして扱いづらい所があります。そういう意味では、今後小学校で教科担任制が導入された”後”なら「日本は小学校で教科担任制を廃止し学級担任制に戻るべきである」なんていう論題が扱われるかもしれないですね。
日本は小学校、中学校の学区制を廃止すべきである 是か非か
こちらは、東京都品川区が2002年に実施した学校選択制を全国で実施するというテーマになります。こちらの記事で詳しい内容が書かれているので見ていただいてもいいでしょう。学区制で決められた学校の雰囲気に倣うことなく、その子自身にあった校風の学校が選べる一方で、あくまで選択制になるため、自分の意向に沿わないどころか、全く校風と合わない学校になる可能性も秘めるといったリスクも伴います。
日本はすべての学校の教科書をデジタル教科書に統一すべきである 是か非か
小学生がもつランドセル、教科書を含めて何㎏になるかご存じでしょうか。こちらの記事によると、小学校低学年で平均4kgで、あまりにも重いため、「ランドセル症候群」なる病気になる子供もいるとか。しかも学校に教科書を置いてはいけない、いわるゆ「置き勉禁止」としている学校も多いようで(最近は減ったかな)、ときどきテレビでも話題になっていますよね。国としても、この問題だけではなく、今後ICT化を進めるうえで、しかもコロナの影響でオンライン授業なども行われており、教科書もデジタル教科書にしてはどうかという話も出ています。一方で、高価なデジタル教科書を小学校低学年に持たせる問題とか、盗難とか個人情報の問題とか、考えるべき課題も出てきます。
日本は中学生以下の携帯電話の使用を禁止すべきである 是か非か
こちらはディベート甲子園でよく扱われたテーマです。高校生以下にしてもいいでしょう。よくあるのは、未成年が携帯電話を使用することで出会い系や援交などの危険に巻き込まれてしまうから禁止しようという意見と、携帯電話があることで事件に巻き込まれそうなときに対応できるなどの利点もあり、甲乙つけがたいディベートになります。
日本は未成年のSNSを保護者が閲覧できるものとする 是か非か
これは上の携帯電話と一緒のテーマがメリットになりますね。一方で未成年でもプライバシーは守られるべきという意見が出て、何を大切にするべきか、考えさせられるテーマですね。
科学系のテーマ
ここでは科学に関するテーマを紹介します。まだまだたくさん紹介したいので、サクサクいきましょう。
日本は炭素税を導入すべきである 是か非か
特にヨーロッパで話題になっている「脱炭素化社会」に向けて、それを加速させるために導入すべき税ですね。もちろん税金を取られるわけですから我々国民にとっては打撃です。このあたりとの折り合いをどうつけるかが試合の分かれ目でしょう。
日本はプラスチック税を導入すべきである 是か非か
こちらも同じですね。プラスチック税を導入しプラスチックの使用を減らすのが目的です。ただ、日本の場合、この税金の代わりにゴミ袋の有料化を導入しちゃったので、その辺りの整合性をつけないといけないかもしれません。その時は「日本は小売店でのゴミ袋を無料に戻すべきである」というディベートテーマにしてもいいでしょう。
日本は自動販売機を撤廃すべきである 是か非か
身近なテーマに入れるか迷いましたが、結構電力的な問題とか、温暖化とか、科学系のメリットが出ることが多いのでこちらに入れました。もちろん自動販売機に関わる人たちは失業したり売り上げが減ったりするデメリットが出てしまうので、撤廃するメリットをいかに丁寧に説明するかがカギになります。
動物に関するテーマ
動物に関わるテーマも、小学生や中学生の心を育てる意味で重要なものかもしれません。いくつか紹介してみます。
日本はすべての動物園を廃止すべきである 是か非か
こちらはディベート甲子園の第11回大会で中学生の部で取り上げられたテーマです。後述する論題と共通しますが、やはり動物たちにとっての非日常生活を強いる動物園ですから、ここに倫理的な問題があると論じる一方、なるべく日常的な生活を動物に送ってもらい、その生活をお客さんに見せる工夫をしている動物園もあり、倫理的な問題を解消していると反論しつつ、動物園ならではの研究をしていたりするので、動物の生態系を知る機会が失われるというデメリットが考えられます。
日本はペットの売買を禁止すべきである 是か非か
「パピーミル」という言葉をご存じでしょうか。こちらもディベート甲子園の第15回大会で扱われたテーマで、そこでパピーミルという言葉を知りました。売買にはどうしても資本主義が出てきてしまうため、そこに生体を登場させていいのかという問題点が扱われます。一方で、ペットの売買を禁止されると、おそらく日本ではペットの飼育が出来なくなる可能性が高いです(海外では売買ではなく譲渡という形でペットが手に入ります)。そのため、動物と触れ合える機会が失われるというデメリットが登場し、ペットの存在意義が問われるテーマとなります。
日本は動物実験をすべて禁止すべきである 是か非か
これについては、あまり当方からは意見が出しにくいです。ヨーロッパなどではよく言われるテーマとだけ述べておきます。
職場に関するテーマ
ここからは職場に関するテーマを見ていきます。結構あるので早速紹介します。
なお、ここから紹介するテーマですが、「日本は」の代わりに「○○会社は」とか、「△△部署は」とかに替えて、より自分たちに身近なテーマにすることも大いにありですよ。
日本はすべての企業で一定比率以上のテレワークを義務付けるべきである 是か非か
コロナのせいで一時期盛り上がったテレワークに関するテーマです。通勤という苦労が無い、場所に縛られず仕事ができる、等のメリットである一方、face-to-faceが必要な職場など直接顔を合わせないと出来ない仕事ができなくなるなどの問題があるでしょう。
○○会社は食堂を導入すべき(または廃止すべき)である 是か非か
これ、ディベート甲子園の即興ディベートで「△△大学は学食を廃止すべきである 是か非か」というテーマで扱われたことがあります。有名な「話を本題に戻しましょう」が登場した論題ですね。食品廃棄とかGなどの衛生面の問題が解消される一方、やはりお得な学食がなくなることを大問題に感じる方々もいらっしゃるでしょう。
派生形として「メニューを増やすべきである」「□□を季節メニューから常設メニューにすべきである」などいろいろテーマが出来そうです。
○○会社(もしくは日本)は男性の育児休暇の取得を義務付けるべきである 是か非か
男性の育児休暇の取得率が女性と比較して低いと言われる日本。そこで義務付けて強制的に取らせるテーマです。個人的には育児休暇を男性がとるとか取らないとかに関係なく、二人で育児に取り組んで欲しいというのが本音ですね。
日本は週休3日制にすべきである 是か非か
日本の仕事のし過ぎを軽減するため、また過労死を防ぐための施策ですね。
日本はコロナワクチンの接種を国民全員に義務付けるべきである 是か非か
これもワクチンの開始する前後なら面白かったのですが、やはり欧米に比べて同調圧力というか、右に倣えというか、かなりの接種率になっちゃったんですよね。
○○会社は給料を成果報酬型にすべきである 是か非か
現在は年功序列、終身雇用を基本とした給与体系になっています。ところがそこかしこで終身雇用が維持できないなどの話が出ています。そうすると年功序列で給料が上がると期待していたのにリストラされたりするリスクが出ます。ならいっそのこと、最初から成果報酬型の給与にして、若いうちから稼げるうちに稼ぐべきという意見が出ても不思議ではないでしょう。もちろん格差が広がりかねないのは言うまでもないところです。個人的には、成果報酬型になったとして、健康保険制度を前提とした医師や看護師の給与体系はどうなるんだろうっていうのが感想なんですけど。
○○会社は~~という資格を取得するのを義務付けるべきである 是か非か
最近FP(ファイナンシャルプランニング)やら簿記やらの資格を取ってみて、資格に興味を持ってyoutubeや本やら見ているんですが、業界ごとに必要な資格っていろいろあるなーと感じています。そこで、企業として必要な資格は取得を義務付けるっていうのもありかなーと思ってテーマにしてみました。資格が取れなければ罰則を設けるとか、いろいろやりようはある気がします。
日本は株式会社に役員のクオータ制の導入を義務付けるべきである 是か非か
クオータ制というのは、男女比を一定以上の乖離を起こさないようにする制度です。一応女性の比率が一定以上になるようにというのが一般的な説明ですが、個人的にはその表現も結構差別を前提にした表現になっている気がして、上記のような表現にしています。国会をクオータ制にすべきというテーマがありますが、これを会社内に導入するとどうなるか、この辺りは会社勤めの方々の方が想像力豊かなのではないでしょうか。
面白系のテーマ
ここでは、面白いテーマというか、分かる人にしか分からないというか、そんなテーマです。
ドラえもんは22世紀に帰るべきである 是か非か
これは以前の記事にも書きました。もともとはセワシ君が先祖を少しでも改良して、自分の頭をよくするっていう意味で送られたのがドラえもんのはずです。そこで、のび太君を相手では難しそうだから、他の年代の先祖を助けたりすればいいのではないかというものですね(多分違う)。
ポケモンマスターのサトシはピカチュウをライチュウに進化すべきである 是か非か
こちらはポケモンネタです。ふと思いついたので書いてみました。ピカチュウよりライチュウの方が能力も高いので、より簡単にチャンピオンになれるのではないかと思う一方、ピカチュウのままでなければ(特に女の子に)人気が取れなくなってポケモンが衰退しかねないという問題もあるかもしれません。
ネット系のテーマ
これはネット社会の今日に重要なテーマですね
日本はフェイクニュースを規制すべきである 是か非か
これはディベート甲子園の高校の部で扱われたテーマです。ちょうど米大統領選挙で話題になっていたころです。匿名性の高いSNSでは特にフェイクニュースは話題になり、日本でも、地震があった時にライオンが逃げたというフェイクニュースが出たりしている一方で、匿名の「保育園落ちた」の投稿をきっかけに保育制度が整備されていったというメリットもありました。
日本は匿名SNSを禁止すべきである 是か非か
これも上のフェイクニュースにかぶりますね。
身近なテーマ
最後はこちら、もう少しです。
日本は小売店の深夜営業を禁止すべきである 是か非か
こちらはディベート甲子園の中学の部で何度か扱われたテーマです。前回のブログ記事で説明しているので、そちらを見てもらえると嬉しいです。
日本は運転免許に年齢制限を設けるべきである 是か非か
「高齢者の運転免許の自主返納を義務付けるべきである」でも良いでしょう。2019年に起きた池袋暴走事故をきっかけに話題になるようになったテーマですね。これについては、高齢者の運転が危険である一方、高齢者が運転せざるを得ない状況を推察できるかというのがカギになるかもしれません。結構地域によるディベートの違いが出そうで面白いです。
日本は自転車の操縦に免許制度を導入すべきである 是か非か
自転車に保険が義務付けられたのはご存じでしょうか。その背景には自転車による事故が隠れています。そこで、いっそ自転車にも免許制を導入して、車のように規制をかけたらという意見もあります。一方で、免許制にしても、車に比べて免許のない人が運転しても分からないという問題もあり、その有効性に焦点があたるテーマになりそうです。
日本は電動キックボードの運転に専用の免許制度を導入すべきである 是か非か
こちらは自転車ではなく電動キックボードの話です。どうも電動キックボードに免許不要という話題が出ています。ですが、危険を伴う乗り物という認識が強く、このキックボードを社会で扱う中でどうしたらよいか一度議論するきっかけにしてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。文字ばかりでお送りしましたが、今回は即興ディベートで使えるテーマを紹介してみました。書き終わって数えてみたらちょうど30個になっていました。頑張ったぞ、自分!
ということで、どれか一つでも皆さんの琴線に触れるものがあればうれしいです。
それでは皆様この辺で、have a nice day and see you next day!