医学医療ネタ PR

医学部の6年間で学ぶ内容 ざっくり紹介してみよう ー第一部ー

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

みなさまこんばんは、あのつぎはイです。今日もブログ更新していこう。本日は医学ネタ、といってもやるのは医学部6年間で何を学ぶかですが。他学部と違って2年多い6か年の医学部ですが、長い理由は大学病院での実習が入るからです。じゃあその前の4年間は他学部と同じかと言われると、そこにもちと変わったことがあったりします。結論を先に行っておくと、6年間の内容のうち、教養を除く専門科目は「すべて必修」であり、「存在する試験はすべて通らなければ卒業できない」というものです。例えばドラマや漫画なんかで「1,2年のうちに必要な単位は取ったから3年生からは授業の駒が空いて好きなことができる」とか、「就活したくても単位が足りないから大変だ」とかが他の学部だとある気がするんですが(あとはゼミもあるんだっけ?)、医学部の場合は、基本的に存在する専門科目はすべて必修のため、例えば自分が通っていた大学の場合は3,4年生の時も日中は朝から晩までずーーーーと講義が存在し、しかもその講義に関わる試験があれば全て合格をもらわなければならず、レポートについても不可なんて取ろうものなら合格がもらえるまで何度でもレポートを提出する(ひどい時には留年させられて講義を取り直して再度レポートを提出する等々)必要が出るなど、意外と大変だったりしたりします。そんな医学部ですが、おおむね6か年で学ぶ内容はざっくり以下の通りです、医学部の講義内容の外観が知りたい方、医学部に入るとそのあとどんな講義をうけ(させられ)るのか知りたい方向けの内容になればいいなーと思っています。それではいってみましょう。

1年生

 入学直後の皆様、入学おめでとうございます。医学部1年生の時は、基本的に他の学部同様一般教養となります。それこそ高校の続きみたいに数学や化学、物理などお馴染みの文字が登場する(内容はもちろん大学レベルですよ、しかも担当教員によっては容赦のない試験だったりします)講義であったり、統計学や心理学、体育なんかもあったりします。内容も教養で勉強したいなーと思う講義を取ったりしてもいい時間もあるのですが、注意点があります。多くの大学が同じかと思うのですが、2年生以降に専門科目がギッチリと、シッカリと、ミッチリと詰まっているため、教養で必要な単位を1年で取り逃すと2年生で早速苦労するという何ともせわしない大学生活が始まってしまうのです。ここ、大学一年生が見落としてしまうことが多いので注意してください。
 大学によりますが、教養科目で単位を取りつつ、同時に専門科目が同時進行することもあります。自分が通った大学では「医学英語(講義名は違った気がするが、試験がコレだったので)」と「基礎セミナー」の2つがありました。医学英語は、アメリカで使われている医学を扱う上で必要な生物学の教科書を利用して英語と生物を同時に勉強するというものです。こちらは医学英語の講義以外に、看護師さんの仕事を一緒に病棟を回りながら勉強したり、障碍者施設を回って暮らしぶりを勉強するなどの実習が一緒に含まれてた気がします。
 「基礎セミナー」の方は、少人数グループの実習です。ほとんどの場合は何かテーマを一つ決めて自分なりに調べて発表するというセミナーになります。自分もここでpowerpointの使い方を自学した気がします。他の友達は、このセミナーを通して資料の調べ方や発表の仕方なんかも勉強しなくちゃいけなくて、結構大変だったみたいです。

 こんな感じで一年生は過ぎていきますが、よほどのことが無い限りバイトを始めたり恋愛したりサークル活動を始めたり、初めて尽くしの一年を過ごすことになります。試験も医学英語と化学が大変だったかな(高校で生物を取ってたメンバーは物理のレポートが大変だったみたいでした)。

2年生

 ここから専門科目が本格的に始まります。2年生では大雑把に言えば「人体の基本を学ぶ=正常な人体を学ぶ」という感じで、自分の大学では以下のような講義と実習がありました。

1. 人体の構造

 皆さんが想像する医学講義の代表格が「解剖学」でしょう。もちろんやりました。ざっくり説明すれば、実際に直接目で見て勉強できる人の構造を学ぶのが「(肉眼)解剖学」で、ここでご遺体を扱いながら解剖を勉強していきます。どの大学も実習は大変そうでしたが、うちの担当教授が独特で、実習中に部屋をウロウロしながら学生に突然質問してきます、しかも解答は英語で要求されるため(「Englishプリーズと言われる」)、実習しながら英語も覚えさせられるという、一粒で二度おいしく2倍以上に大変な実習となっていました(自分たちのグループは、どうせ知らない単語ばかりだし、いっそ最初から日本語は捨てて英語で覚えて応えていこうと決めたところ、「これはなんだ?」→「Tibiaです」→「Englishプリー…英語だな」なんて感じで先生に一泡ふかす場面もあり、結構楽しかったです)。でも、おかげで解剖に関わる用語は基本英語で覚えられて、しかも後々医学論文を読むうえで、専門医学英語をかなり負担なく扱えているのかなと思っています。なお、昔の本だと書いてあるかもしれませんが、解剖でお世話になったご遺体を用いて口頭試問をして合否を判定する試験は、自分の大学ではなかったです。その代わり解剖の試験は非常に骨太で、試験時間が4時間を目途にエンドレス、教科書的な模式図に示された解剖学用語を答える(大動脈とか大腿二頭筋とか)だけではなく、新聞などで話題になった医療事故を試験に貼り付け(あれは絶対用手的に貼っていてパソコンで編集したものではない)ながら「この事故が起きうる原因を解剖学的見地に沿って答えよ」から「自分が救急隊に挿管技術を教える際どのように教えるか、解剖学的用語を用いたり模式図を書いたりして説明せよ」とか、「○○の部位について、いかに記載する用語がすべて登場するように絵を描け」とか、かなり独特な雰囲気を醸し出す試験でした。ただ、解答を英語で行うと、綴りが正確なことが条件ですが点数を1.1倍してくれたり、そもそも点数が合計100点以上(でも圧縮は無しで合格は60点だったので少し楽)になっていたりと結構親切設計だった気もします。
 ほかに、直接は見えないものの顕微鏡で見る「組織学」と、脳から脊髄、末梢に至る「脳神経解剖学」というものがありました(脳神経解剖学は口頭試問みたいな実習試験がありましたね)。組織学は顕微鏡で見たものをスケッチして毎実習ごとに提出するのですが、結構夜遅くまで残る学生がいたり、サークルが忙しくてスケッチも適当に(先輩のスケッチを丸写しとも言います:だめですよ、そんなことしちゃ!)さっさと退室していく人もいましたね。しかも、自分の大学の教官がこれまた独特で、ある先生は学生が扱う顕微鏡では見えないものまで書かないとスケッチを合格にしてくれない(教科書に書いてある特徴的な所見なので勉強の上では役に立ちましたが、学生の扱う光学顕微鏡ではなく電子顕微鏡で見える所見とか、特殊な染色方法で見える所見とか)一方で、その流れでスケッチを提出したら他の先生から「この所見は見られないはずですが?」とコメントをいただき再提出をくらうという、大学が教育機関(?)なことを改めて勉強できた良い時間でしたね。この「組織学スケッチ」、大学によっては解剖学より厳しいところもあるみたいで、スケッチの合格がもらえるまでは日付が変わってもお家に帰してもらえないという大学もあったみたいです(今は少し改善されたとのこと)。確かに自分の大学も、夜の10-11時くらいまでは人がいる日もあった気がします(教官の先生方が「そろそろ帰りたいからカギ閉めるよー」と言って日付の変わる前に終わっていたみたいですが、それが無ければ自分の大学でも日付をまたぐ人はいたでしょうね)。

2. 生理学

 こちらは体で起きている生理学的なことを学びます。例えば、肺で行われる呼吸ではどのような事が起きているのか、心臓が動く時の電気が流れる仕組みとか、筋肉が収縮するというのはどのような事なのか、などなどです。ここの体の機構というか働き方というか、ここを不十分な理解をすると、病気の発生のメカニズムを十分に理解できないような、そんな体(というか各臓器とでもいいましょうか)の基本的働きを学ぶのがこの生理学ですね。

3. 生化学

 こちらは、体で起きている正常な化学的物質の存在を勉強するものです。代表例としては、中学や高校の生物で学んだブドウ糖やたんぱく質、脂質の体内への吸収からさらに進んで、その吸収した物質をどのように分解してエネルギーを得るのか、そもそも体を形作る細胞というのはどのような構造をもち、そこにはどのような化合物が存在しているのか、その辺りを学ぶ科目ですね。あとは自分の大学独特でしょうが、腫瘍に関わるたんぱくなどもここで事前に勉強するというか、そういう教室があるから講義が存在するというか、そういう講義もありましたね。

4. 発生学

  2年の最後に学ぶのが発生学です。人が生まれるまでにどのようなストーリーをたどるのか、そんな生命の進化を学ぶような科目がこちらです。あんまり講義内容は覚えていないのですが、解剖学と担当教官が一緒で、独特な言い回しで面白かったこと、それから他大学より教授を招いて大学院生に講義をしていただいた際、チャレンジングに大学生が出席し、そして興味深い質問をして教授が興味を持ってくれたら試験免除と言われ、実際大学院生に交じって質問をして本当に試験免除をゲットした大学生がいたりしたのだけは覚えています(一人は自分でしたし)。

 こんな感じで2年生を過ごすのですが、特徴的なのは、上の1の「組織学の講義」「組織学の顕微鏡」と2「生理学1」「生理学2」、3「生化学1」「生化学2」、4「発生学」あたりが2月の一か月間に一気に行われる試験地獄月間が登場します。いえ、落ちてもいいならいいのですが、先に言ったように専門科目はどれか一つでも落とせば卒業できなくなるので、合格するまで延々と試験を受けさせられるという世界が待っています。そのため、クリスマスとお正月を堪能した2年生は、そこから人が変わったように勉強するとかしないとか。とはいってもすべての試験が難しいわけではないので、その辺りは力を入れたり抜いたりしながら、上手にやりくりして言った気がします。

まとめ

  いかがだったでしょうか。本当は6年間全部書くつもりだったのですが、2年生までだけでこれまでの中で一番長い記事になってしまったので、いったん小休憩をはさみます。多分明日3年生以降の話を書こうと思います。それでは皆様、have a nice day and see you next time!