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ディベートでいう立論とは 3つの構成要素と2つのお助けアイテム

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 みなさまこんばんは、あのつぎはイです。今日も更新やっていきます。

 今日の更新はディベートネタです。中身は「立論とは」。

 「ディベートって何?」「立論ていつ出てきたっけ?」というかたは、下の記事もご参照ください。

  • ディベートって何 議論や弁論と何が違うのか 個人的な経験や考えも添えて こちらから
  • ディベートの試合の進め方 競技ディベートは話す順序が決まっています こちらから

 今回の記事では、

  1. 立論て何をするパートなの?
  2. 立論で出てくるメリットとかデメリットって何?
  3. メリットとデメリットのイメージ図
  4. 立論を構成する3要素と作るのに役立つテクニック2つ
  5. そもそもディベートで話すスピードは?

 をお話ししていきたいと思います。それではさっそくやっていきましょう。

立論て何をするパートなの?

 立論というのは、肯定側(=テーマ採択に賛成の立場)ならメリットを、否定側(=テーマ採択に反対の立場)ならデメリットを説明するパートです。

 ここで注意なのですが、

メリットもデメリットも、説明することができるのは立論のみ

 というルールがあります(裏技はありますが)。そうしないと、突然メリットやデメリットがディベートの試合の最中で登場すると、相手サイドからの反駁を受ける時間が無くなってしまうためです。

立論で出てくるメリットとかデメリットって何?

 ここで、じゃあメリットとかデメリットってなんだよって話になりますが、要は

  • メリット:テーマを採択した場合、テーマを採択しなかった場合に比べて起こるのが期待できる「良い事
  • デメリット:テーマを採択した場合、テーマを採択無かった場合に比べて起こるのが危惧される「悪い事

 と考えていただいて構いません。下の様に一般的に考えていただいて大丈夫です。

 テーマ(論題とも言います)を採択したい肯定側:テーマの「良さ」を説明したい

 テーマ(論題)を採択されたくない否定側:テーマの「悪さ」を説明したい

 という考えから来ています。

 メリットをもう少し具体的に説明すれば、

テーマを採択していない未来と、テーマを採択した未来を比較した場合、採択していない未来(内因性、現状分析で説明します)に比べて採択した未来(解決性、発生過程で説明します)の方が、○○という良いことが起こる。この○○というのは△△という点で重要だ(重要性で説明します)。

 という感じの話になりますね。

 まだ分からない?もう少し付き合ってください、次にイメージをもう少し説明して、その次に立論の作り方を具体例を用いて説明しますので。

メリットとデメリットのイメージ図

 メリットとかデメリットというのをイメージする上で、下のような感じに考えてもらってもいいでしょう(手書きをスキャンしたら見にくくなった笑)。

 ここでどのイメージ図でもそうですが、かならず論題を採択しなかった場合と、採択した場合の差を比較して良し悪しを判断しています。

 例えば、「死刑制度を廃止すべきである、是か非か」のメリットで

死刑制度が無ければ、えん罪で死刑で殺される人が無くなるからメリットだ

 とあっても、

そもそも死刑制度が合っても(つまり論題の採択が無くても)、AIとかの進歩でえん罪そのものが消えていくから、えん罪で殺される人なんていないんじゃない?そうすると、わざわざ論題は必要ないよね

 となります。勿論この2つのやり取りの中に細かいやり取りがいっぱい出て、細かい差分がいっぱい出てくるのですが、ひとまず「書いてないことは考えない」という事にしておいてください(いつかこの辺を記事にしたい)。

 そこで、メリットとして成り立たせるためには

 今のまま死刑制度がある場合、AIを含めた操作技術がどれだけ発達しても
えん罪は無くならない。だから、えん罪から死刑で殺される人が出てしまう。(=内因性、現状分析の話)

 こんな国ぐるみの殺人が起こる世の中を良くするために、死刑制度をなくすことで、少なくともえん罪でも殺されるという事が無い世の中にしたい。(=解決性の話)

 という枠組みを用意する必要が出てきます。そのため、イメージ図のように「論題の採択されていない未来」と、「論題の採択された未来」を両方考えて、生じる差分をメリット、デメリットで考えていこうとなっているのです。

 この辺は、自分たちが何かルールを決めるうえで必要な考え方だと思います。

 作ろうとしているルールの有無でどのような差が生じるのか、その差は必要なのかどうか

 こう考えると、ルールを策定しやすくなるでしょう。

 では、その差分をどのように立論という形にして審判にお伝えしていくか、その方法を説明していきます。

立論を構成する3要素と作るのに役立つテクニック2つ

 まず構成3要素を説明しましょう。

  • 論題を採択しなかった場合の未来を語る要素
     内因性(肯定側)、固有性(否定側)、現状分析
  • 論題を採択した場合の未来を語り、差を説明する要素
     解決性(肯定側)、発生過程(否定側)
  • その差がどうして大事なのか説明する要素
     重要性(肯定側)、深刻性(否定側)

 これ、いきなり立論を作ろうとして、この要素ごとに書こうとしても難しいです。

 そこで役に立つ手法を2つ紹介します。

リンクマップ」と「ロードマップ」です。

リンクマップ

 リンクマップというのは、白紙の中央に論題を書いて、そこから起こりうる未来(要は解決性や発生過程)を徐々に書いていくという物です。

 今回は「日本は救急車の利用を有料化すべきである」を論題に少し作ってみました。こんな感じです。

 見た目はマインドマップとかメモリーツリーに似ていますね。ポイントは

  • 一人でも大人数でもOK(みんなでやるとワイワイ楽しいですが、コロナのせいでね…)
  • つなげ方も自由(あっちへ行ったりこっちへ行ったり)
  • 枝分かれも自由(途中から他の枝に乗り移ってもOK)
  • 出た意見は否定せず全部書く

 ポイント通りなのですが、1点補足です。

出た意見は否定せず全部書く

 これは必ず守ってください。というのも、とにかくまず書いてみて、それから自分たちのメリット/デメリット作成に必要な枝だけを抽出して次の手法に使えばいいのであって、他の枝はとにかく残しておくことが大事です。

 なぜって?

反駁を考えるうえで必要だから

 です。ようは、否定する意見も一緒に載せて、それをそのまま反駁の材料にすればいいのであって、枝を消す必要は全くありません。

ロードマップ

 リンクマップでネタを出したら、実際に立論を作成してみます。その時に使う手法がこちらです。ようは先ほどのリンクマップを順番に書いてつなげる作業なんですけどね。

 実際にそれで立論を作成してみました。

 ということで、これであとは書き言葉を話し言葉に変換していけば、立論は完成です。これで試合ができますね。

そもそもディベートで話すスピードは?

 最後に、ディベートでよく言われる話すスピード問題を解説します。

 ディベートの試合を初めて見て聞いた人たちの多くが漏らす感想は

早すぎて何言っているか分からない

 というもの。これ、最近特にそうなんですよね。流行なんでしょうか。

 伝わる速度を意識したいという事であれば、もしくは初めてディベートに取り組もうとしている方々であれば、次のポイントを押さえると良いです。

  • NHKニュースが大体1分間に400文字
  • 慣れていないと1分間に450文字が理解のできる限界
  • 慣れると1分間に500-600文字でも聞こえるようになる

 おそらく1分間に400文字でも、最初は聞き取って理解しようとすると大変かと思います。ましてやディベートで扱われるテーマ(自分が思いつくままに出したものはこちらから)って難しいテーマが多いので、最初は意識的に短めな立論作りをおススメします。

まとめ

 いかがだったでしょうか。本日はディベートで最初のパートとなる立論について、その構成3要素と、作成する上で役立つ手法(アイテム)を2つご紹介しました。反駁も考える必要がありますが、2つのアイテムを使って立論さえ作れるようになれば、ディベートの試合は直ぐにできちゃいます。

 また普段の生活の中でも、ルールの良し悪しは、ルールの有無による差を意識して考えるようにすると、よりルールの必要性・不要性が理解できるようになると思います。ぜひ日常生活にも役立ててみてください。

 それでは今日はこの辺で、have a nice day and see you next day!