ディベートネタ PR

ディベートって何 議論や弁論と何が違うのか 個人的な経験や考えも添えて

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みなさまこんばんは、あのつぎはイです。本日の投稿やっていきます。

 プロフィール欄にも入れていますが、平日は研究や仕事で忙しいものの、ここ数年は休日に時間のゆとりができるようになり(他の博士課程大学院生にケンカを売る発言か)、ディベート連盟東海支部の行事をお手伝いしていることが多いです。
 ところで、皆さんディベート(debate)って言葉ご存じですか?最近は何か研修の一環で行われるとか、そもそも学校の教科書(国語?社会?)にも載るようになった言葉なので、どこかで目にした人もいるかもしれません。医療業界でも、学会の1セッションとしてディベートというものが行われていたり、pro/conと言って賛成と反対の立場に分かれて討論がされるようになったりしています。

 そんなディベートという言葉、討論と訳されることも多いですが、議論(discussion:討論とも訳されますが今回はdebateとの違いを作りたいので)や弁論(argument)と何が違うのか、いまいちよくわからない人も多い気がします(実際ディベートという言葉を出しているものの、実際には議論であったり弁論に近いものであることも多い気がします)。そこで今回の記事では、ディベートの概念や、議論・弁論との違いを説明しつつ、自分なりのディベート説明をしていこうと思っています。

ディベートとは ーいろいろなサイトで紹介されいてる説明からー

 ディベートを説明する上で、日本語で説明をしているサイトがないか調べてみると沢山のサイトが出てくると思います。今回は自分が関わっている全国教室ディベート連盟で説明されているものと、JDA(日本ディベート協会)という日本語でディベートを行っている団体としてはかなり大きな団体で説明されているものを紹介してみようと思います。

1. 全国教室ディベート連盟から

 まずは中学、高校生にディベート普及を目的とし、自分も支部でスタッフをしている全国教室ディベート連盟に記載されているディベートの説明を紹介しようと思います。

 連盟のホームページには次のように書かれています。

「ある特定のテーマの是非について、2グループの話し手が、賛成・反対の立場に別れて、第三者を説得する形で議論を行うこと」 全国教室ディベート連盟より(サイトに飛べます)

 ポイントは<ある特定のテーマが与えられ、立場が2つ用意されていること>、<説得する相手は立場が反対の人間ではなく、議論を聞いた第三者であること>という2つに分かれるかなと思います。特に説得す相手が反対の立場にいる人間ではないことが重要です。よく「論破」とか「言いくるめる」とかいう言葉が流行っている気がしますが、別にディベートでは反対の立場の人間を論破している気はほとんどなく、基本的には第三者の人間(競技形式の場合は審判と言われることが多いです)を説得さえ出来れば良いので、対戦相手の納得はあんまり気にしていないかな、と思います(もちろんレベルが高い人同士が行えば、おおむね対戦相手も試合結果に納得していることが多いんですけどね)。第三者を説得できるように話をすること、これがディベートの大事なことかなと思います。

2. JDAより

 つづいては、ディベート連盟でスタッフをしている人の多くが所属しているJDA(日本ディベート協会)で説明されているディベートを紹介します。

 こちらはJDA内のここに二人の人間が対話をする形式でディベートの説明がされています。ここにも3つの点がディベートで大事であると書かれていますが、そこにも「多くの場合、議論の採否が議論を聞いていた第三者による投票によって判定される」と説得を試みるのは第三者と明記されています。

ちなみに

 研修病院先を決める時に、就活の様に仕事をしたいと思っている病院の先生たちとの面接を受ける機会があります。事前に履歴書も相手に送っているのですが、実は自分の経験ですが、その面接時にディベートという言葉が注目され、いきなり病院の先生が「論破するのが得意ってことだよね。じゃあ僕が治療を拒んでいる癌患者役をやるから、治療を受けるように説得してみてよ」といわれたことがありました。自分としては「(まずディベートで説得するのは第三者であって当人でないし…)はぁ、分かりました」といって話を進めたことがあります、結果はおして知るべしで、「あれ、論破上手じゃないんだねーハハー」と言われて終わりました。うん、いかにディベートが曲解されているかよくわかった事例ですね(そこを最終的に研修先にしなかったことは言うまでもありません)。
 なお、ディベートを履歴書に書くと相手の食いつきそのものは半端なく、他の病院での面接では「ディベート連盟とはどういう機関なのか?」-中学、高校生にディベートを普及することを目的にしていて、毎年全国大会を開催したりしております-「大会ということですが、大体どれくらいの数の学校が参加されるのですか?」-全国大会そのものは中学24校、高校が32校が参加しますが、その前に各地区で高いが行われ、100校近い学校が参加しています-「へー・・・(以下まだまだ質問が続く)」と非常に興味を持っていただけたこともあります(ちなみにこの質問をしてくださった病院が研修先病院となりました)。中学高校生の皆さん、ディベートをやっていると就活で興味を持っていただけますよ。医学生の皆さん、今からでも遅くありません、ディベートを始めてマッチングの時に有利に立ちましょう(笑)。

議論(discussion)との違い

 さて、そんなディベートですが、議論と何が違うのでしょうか。よく言われる違いとしては、1つ目は立場の置き方で、議論であれば自分の立場は固定されておらず(賛成でも反対でも中立でも、何なら状況に応じて自由に行き来していい)、意見も自由に出しながら最終的なゴールを目指す、ディベートは基本的に行っている最中はどちらかの立場に固定されながら、その立場で話をする。2つ目は時間で、議論はみんなで話をする時間が○○分(もしくは時間)であり、多く話をする人とほとんど意見を出せなかった人が生じる一方で、ディベート(特に競技系と言われる時)は話す順番と時間が明確に決められており、(緊張したりして話が出来なかったというのはありえますが)基本的に与えられる話す時間が皆平等である。3つ目は話す順番で、議論は自由に気が付いた意見をドンドン出していってもいいですが、ディベートでは話す順番がかなり明確に決められている。このあたりが大きいですかね。

弁論(argument)との違い

 弁論との違いとしては、1つは話す内容で、弁論は経験でも自分の知識でも何でも話していいと思いますが(弁論部の人がいたら「そんなことはない」と言われそうな大雑把な説明ですが)、ディベートは論理的説明のみが求められ、個人的経験をもとに話をしても説得力に欠けると判断されることが多い。2つ目は立場の取り方で、弁論は自分がいいと思う立場で話せますが、ディベートは話す前に個人的思想に関係なく与えられて話をしなければならない。このあたりでしょうか。大統領の就任スピーチは弁論の代表例ですかね、身近なものなら「○○の主張(昔V6がやってたものとか)」でしょうか。

自分が考えるディベートの説明

 ということで、いろいろ書いてきましたが、個人的に人にディベートを説明するときは、上のように議論や弁論との違いを鮮明にするために、以下のポイントを入れるようにしています。
1. 与えられたテーマに対して
2. 賛成、反対の立場を用意し
3. 個人的な思想に関係なく、賛成、反対の両方の立場で話ができるように準備をして
4. 個人的な経験や感想、思想ではなく論理的、もしくは客観的な説明を用いながら
5. 個々人に与えられた制限時間内で
6. 反対の立場の相手ではなくディベートを聞いている第三者を説得する。

 今後ディベートをやってきた中で、どのような力がついたのか、そのおかげで仕事やプライベートでどのように役立っているのか、このあたりも話を出来れば良いなーと思ったり、ディベート甲子園のネタなんかも記事に出来れば良いなーと思っています。

 ということで今日はこの辺で、have a nice day and see you next day!